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妊活体験談~私が妊娠するまでの2年8か月の記録~

この妊活体験談は2018年~2020年に筆者が実際に受けた治療について、当時の記録を元に2021年に書いたものです。

私35歳、夫37歳で始めた不妊治療は3年半の年月と総額300万円超をかけて授かった第二子について書いています。

第一子は自然妊娠で出産しています!(1人目妊活の記事はこちら

2人目妊活スタート時の我が家

夫婦共働き(夫婦ともにフルタイム)

夫:37歳

私:35歳

長女:3歳

第一子出産後夫との仲が冷え切ってしまい、離婚を視野に1年弱の別居歴あり

つまり妊活スタート時点では、”レス”歴3年以上

1人目を自然妊娠で授かっていたので、不妊治療することになろうとは・・・

目次

妊活体験談1~自己流妊活から不妊治療専門クリニックデビュー~

まずは基礎体温を測ることから始めた、妊活をスタート。

そもそも”レス”だったので、夫婦生活からの再スタート。

1人目がすぐ授かったので、まぁすぐ授かるだろうと高をくくっていました。

この1人目は自然妊娠に授かった、というのが変な自信となり、その後の不妊治療のステップアップの大きな妨げになっていきます。

2018年4月~自己流タイミング法

こうして夫婦で話し合った結果、2人目妊活を始めることになりました。

まず初めに、基礎体温を測ることから始めました。

生理周期が23~38日と結構ばらつきがあったので、排卵されているのか不安でした。

基礎体温を測ってみると、きれいな2層とはいえないものでした。

とはいえ、きれいな2層になっていなくても排卵されている可能性もあることも充分ありえます。

基礎体温を測り始めて2か月目からは、排卵検査薬を使うことにしました。

その結果、うれしいことにきちんと排卵されているようでした。

早速、排卵されているだろうというタイミングで、夫婦生活を持つようにしました。

1人目がすぐに授かったので、今回も同じようにすぐ授かるだろうと思っていましたが、基礎体温が下がり月経がきてしまいました。

5~9月までこのように基礎体温+排卵検査薬での自己流タイミング法をしましたが、妊娠することはありませんでした。

2018年10月~不妊治療専門病院デビュー

職場(病院)でプライベートの話もする先生(産婦人科医ではない)に、「なかなか2人目が授からなくて・・・」と話すと、早めに不妊治療専門の病院へ行った方がいい、とアドバイスをもらいました。

先生同士の間で評判の不妊治療専門病院ってどこですか?

そこで教えてもらった病院へ早速予約を入れて、通院することになりました。

とても人気のある不妊治療専門病院だったので、新規の予約が3週間後待ちでした。

人気の不妊治療専門病院は、初診までに時間がかかるので早めに予約することをおすすめします。

受診のキャンセルはできるので、とりあえず受診予約だけ入れてから、本当に行くかどうか迷ったらいいと思います。

初診でしたがおそらく内診があるだろうと思い、お願いすればフーナーテストをしてもらえるのではないかと思ったので、前日の夜に夫婦生活をもった上で受診しました。

初診の日は予約が夕方だったことから、夫婦生活からの時間が経ちすぎている(12時間以内が理想)とのことで、フーナーテストは見送られました。

初診で診てもらったことは

子宮がん検査

おりもの検査(性病の有無)

卵巣内の卵子の数と大きさ

採血検査(風疹抗体・HIV抗体)

でした。

次回の受診は、排卵検査薬を処方してもらい、排卵検査薬の反応が出たタイミングで、夫婦生活をとってフーナーテストをすることに。

これが、わたしの不妊治療専門病院デビューです。

妊活体験談2~タイミング法から人工受精~

私の通ったクリニックでのタイミング法と人工受精は基本は同じ流れでした。

タイミング法の場合

①生理開始後7~10日後に受診
 ー卵胞の育ち具合を確認。排卵検査薬を渡される。

②排卵検査薬で反応が出たら仲良し

(フーナーテストがある場合は、仲良しの翌日に受診)

人工授精の場合

①生理開始後7~10日後に受診
 ー卵胞の育ち具合を確認。排卵検査薬を渡される。

②排卵検査薬で反応が出たら、その日に受診。

人工受精の日に夫が休めないのであれば、事前に精子凍結が必要

クリニックによっては、人工授精前に排卵がされているかエコーでチェックします。
人工受精後に抗生物質が処方されるクリニックもあります。

フーナーテストで、夫の乏精子症(精子の数は基準値内でも元気な精子が少ない状態)が判明しました。

それは、もう絶望的に・・・

先生も一生懸命精子を探しているのですが、何匹か見つけられるくらい。
それも、今にも息絶えそうなよぼよぼな動き方。

妊活体験談3~体外受精:採卵(1回目)から胚盤胞移植~

1回目の採卵は4回目の正直?でようやく採卵しました。

管理職はつらいよ~採卵日に仕事が休めない~

1回目、2回目は採卵日に仕事がどうしても休めなかったので、スキップ

当時は管理職で、後輩にも不妊治療をしている子がいて、その子と採卵がかぶって私はフォローに回っていたのです。

後輩は、不妊治療をカミングアウトしていましたが私はしていませんでした。

なぜなら、後輩がわたしの治療を気にして休みずらくなるのでは?と思ったからです。

いよいよ、3回目!今度こそ!

だったはずなのですが、なぜか原子卵胞(卵子の元)の数が少なく(2~3個だったかな?)このまま採卵しても卵があまり採れないかもしれない、と言われました。

でも、今回スキップしても次回も同じ程度しか見えない可能性もある、とも言われました。

これまでずっと10個程度のの原子卵胞が見えていたので、仕切り直すことにしました。

4度目の正直で初採卵!11個採卵→胚盤胞3つ

ようやく採卵できたのですが、初採卵の卵子は11個でした。

嬉しいことにすべて成熟卵子だったので、顕微授精をしました。

夫が乏精子症なので、体外受精ではなく顕微授精を選択しました。

体外受精:シャーレの中に卵子を一つ入れ、精子を入れて自然に受精するのを待つ方法

顕微授精:元気のよい精子を培養士が選び、卵子に直接精子を入れる方法

採卵した11個の卵子の中で、無事受精卵になったのは5つでした。

その後5日胚盤胞が2つ6日胚盤胞が1つ、計3つの胚盤胞が採れました。

OHSS気味だったことから、新鮮胚移植はせずにすべて凍結しました。

初めての移植~判定日はクリスマス~

初めての移植は2019年12月

判定日がクリスマスということもあり、サンタさんがクリスマスプレゼントをくれると信じていました。

そもそも体外受精・顕微授精などの高度不妊治療をしたら、すぐに授かると思っていたのです。

結果は、サンタクロースは来てくれませんでした。

その時の先生の言葉が頭から離れません。

すごくグレードの良い(4AA)の卵だったんだけどね、なんでだろう?

「いや、それは私が聞きたい」その一言を飲み込みました

フライング検査をしていたので、ダメだということはわかっていました。

「それでも・・」「もしかしたら・・」という淡い期待を持っていたのです。

結果は、もちろん「陰性」。

初移植はかすりもしませんでした。

移植2回目はhcg28からの化学流産

移植2回目は1回目のリセット後、すぐに準備に入りました。

1回目の移植のものよりグレードは下がりますが、4ABなので一般的には「良質胚盤胞」と呼ばれるレベル。

これが、びっくり!

今までフライング検査していたのが、「海外製でhcg20IU/L未満でも反応する」というものを使っていたのですが、全然反応しなくて、

あー、今回も陰性か~。着床障害の検査とかできないのか聞いてみよう!

と思っていたら、まさかのhcg28IU/L!!

私の通院していたクリニックはhcg50IU/L以上を「臨床的妊娠」と定義していたため、今後上がってくるかもしれないということで、3日後に再受診となりました。

日本製のドゥテストは、説明書では50IU/L以上で反応するようになっていますが、50IU/L以下でも線が出るよ、との妊活仲間からの情報で、薬局でかってやりました。

すると、ちゃんと出たのです!!

若干薄かったですが。

毎日、毎日、毎日、朝夕とチェックしました。

そのたびに薄くなっていく線・・・

絶望が増えていき、暗闇の中にポツンと自分だけが存在しているかのような気持ちになりました。

クリニックで、「臨床的妊娠」にも至らなかった、と判定されました。

クリニックによっては20IU/L以上を「臨床的妊娠」としているところもあるので、あの線は絶対に来てくれたと今でも信じて、「化学流産」したと勝手に思っています。

不育症関連検査とPGT-Aの臨床研究に参加したい!

ドゥテストの線が薄くなっていく毎に、闇が深くなっていっていましたが、そこは私の不屈の精神が発揮されました!

どうでもいいけど、わたしの座右の銘は「生命不息 戦闘不止(命ある限り戦いを止めず)」

私が諦めたら、それで終わり。
出来ることをやりきろう!

娘にも「あの時代にできうるすべてのことをチャレンジしたけど授からなかった」とウソ偽りなく説明できるように、という思いもありました。

先生の口から、hcgの結果を聞かされたとき、少しの動揺と悲しみがありました。

手も震えていましたが、大きく深呼吸をして・・・

「先生、着床障害の検査をお願いしたいです。あとクリニックのブログにPGT-Aの臨床研究の研究施設に選ばれたと見ました。やってみたいです。」

そして

  • 子宮鏡検査(慢性子宮内膜炎の有無を調べる)
  • 血液検査(凝固検査、ビタミンD、亜鉛、銅、同種免疫異常を見る検査)

をすることになりました。

あと一つ凍結胚盤胞がありましたが、まずは着床不全の検査を優先しました。
着床前診断(PGT-A)はまだ事務手続きが終わっていないとのことで、ひとまず見送りになりました。

1人目は自然妊娠・出産したのにまさかの不育症

不育症検査については、先生は乗り気ではありませんでした。

なぜなら、流産経験もなく1人目を自然妊娠で授かり、出産していたからです。

それでも、1人目出産後に体質が変わると聞いたこともあるので、やりたいことを強くアピールしました。

そうして検査した結果、

抗リン脂質抗体症候群:血栓ができやすく赤ちゃんが育ちにくい

プロテインC欠乏:血栓ができやすく赤ちゃんが育ちにくい

同種免疫異常:母体の免疫が赤ちゃんを異物ととらえ、流産させてしまう

のように着床障害の原因が出てきました。

着床障害と不育症はほぼ同意義で使われていますが、厳密にいうと少し異なります。

着床障害は着床そのものが何らかの原因でできないこと

不育症は着床障害も含めて、赤ちゃんが育たない(流・早産、死産)してしまうこと

厳密にいうと私は着床障害なのですが(流産・早産の経験がないため)先ほども言ったように、「わたし自身は化学流産したと思っている」ので、不育症と言わせていただきます。

最後の凍結胚盤胞をPGT-A(着床前診断)へ

とりあえず、

抗リン脂質抗体症候群とプロテインC欠乏は、アスピリン(血液サラサラ薬)を内服

同種免疫異常は、臓器移植後の拒絶反応をなくすために使われる薬、プログラフ(タクロリムス)を内服

することで不育症(着床障害)に対する対策はとれます。

続いて、PGT-A(着床前診断)の臨床研究への参加です。

最後の凍結胚盤胞を、PGT-A(着床前診断)をしました。

PGT-Aとは良質胚盤胞の外胚葉(将来胎盤になる部分)の染色体異常を見る検査です。

染色体異常(異数体)であれば、そもそも着床しません(残念ながら)

それ以外にも、早期流産の原因の染色体異常などがわかります。

結果は、16トリソミーでした。

16トリソミーは、最も流産の原因となる染色体異常

残念ながら、この世に生を受けることはできないタイプの染色体異常です。

私たち夫婦は、この凍結胚盤胞を移植をすることなく、2回目の採卵に進むことにしました。

妊活体験談4~体外受精:採卵(2回目)からPGT-A正常胚の移植~

2回目の採卵の時には38歳になっていました。

AMHも去年より低くなり、原子卵胞も1~3個程度しか見えなくなってきていました。
そろそろ妊活の終わりを告げているのかな・・

それでも、わたしなりに卵子の質を上げるための対策を行いました。

≫たっぷりビタミンEを摂ることで、受精卵の質が4割以上UP!した話

すると、

採卵数7個→受精卵5個→胚盤胞5個

受精したすべての卵子が胚盤胞になったんです。

しかも、4AA、4ABばかり!!

数は採れなかったけど、卵の質がかなり上がったんです!(卵の質が上がるようにしたこと

そして、5つすべての胚盤胞をPGT-Aしました。

5つのうち1つが正常胚、2つがモザイク胚、2つが異数体、という結果でした。

PGT-Aの検査は結果が出るまでに3~4週間かかります

その間にERA・EMMA・ALICEという着床障害の原因を調べる検査をしました。

着床不全の原因は子宮内フローラ0だったから?!

PGT-Aは魔法の技術ではありません

このように、担当医から言われました。

実際SNSで、PGT-A正常胚を移植しても妊娠できなかった、という声を耳にします。

担当医曰く、PGT-A正常胚でも妊娠できない原因は、子宮内の環境が着床するのに適していないと妊娠できないということでした。

着床不全を見る検査

子宮鏡:子宮内膜をカメラで(肉眼)で慢性子宮内膜炎の有無を診るー炎症があれば、抗生物質で治療する。

ERA・EMMA・ALICE:着床の窓、子宮内フローラ、慢性子宮内膜炎の検査ー着床の窓がずれていたら移植の時間帯をずらす、子宮内フローラが少なければ、ラクトフェリンを投薬、慢性子宮内膜炎があれば抗生物質で検査

血液検査:「1人目は自然妊娠・出産したのにまさかの不育症」参照

子宮鏡と血液検査はすでにやっていたので、担当医のすすめでERA・ERA・ALICEを受けました。

検査方法は削った子宮内膜をスペインに送り、着床するタイミング(着床の窓)と子宮内フローラ(95%以上ないと妊娠しない)と子宮内膜炎の有無を診断します。

スペインに輸送することから、検査結果に3~4週間程度時間がかかります。

PGT-Aの結果待ちの間に、「まぁ、受けとくか!」くらいの軽い気持ちでした。

担当医は、着床のタイミングだけ(ERAのみ)でいいよ、と言いました。

担当医がERAのみをすすめた理由は

3つすべて調べるより3万円安くなる

子宮内フローラはラクトフェリンを移植前1週間膣剤内服を1か月すればよい

でもどうせ、同じ細胞で検査するならわざわざスペインにまで輸送するし、全部やっとこう!と思い全部しました。

結果的に、すべて検査してよかったです。

検査時点ですでに、ラクトフェリンを1か月内服し、移植するつもりで検査しないといけないためラクトフェリンの膣剤を検査前1週間入れていたにもかかわらず、子宮内フローラ0だったんです。

この子宮内フローラ0というのは、善玉菌も悪玉菌も両方0で、いわば完全無菌状態を意味します。妊娠できる子宮内環境ではないことを示しています。

ラクトフェリンの膣剤を増やしてEMMAの再検査

PGT-Aの結果は返ってきていたのですが、ラクトフェリンの膣剤を通常、移植前(検査前)1週間のところ2週間に増やして、再度EMMA検査をしてみよう!と担当医と話しました。

結果としては、それでも善玉菌74%。
95%以上には遠く及びません。

しかしこれ以上、子宮内膜を削る検査を繰りかえすと、子宮内膜が薄くなり移植自体ができなくなるといわれました。

移植前2週間、夕のみ入れるところを朝・夕の1日2回、ラクトフェリンの膣剤を入れることでPGT-A正常胚の移植にのぞみました。

PGT-A正常胚の移植で初めての妊娠判定

不育症(着床障害)対策をして、PGT-A正常胚を迎えに行きました。

そして、不妊治療を開始して初めての妊娠判定がもらえました。

その後、切迫流産、全前置胎盤による出血など順調な妊婦生活ではありませんでしたが、最終的に2021年7月に元気な女の子を出産することができました

不妊治療をしたから妊娠・出産できました。

でもその代償として、不妊治療をしたから出産で生死をさまよいました。

それはまた別のお話し(≫不妊治療後の壮絶な妊婦生活

>>妊娠した周期にやっていた温活3選

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この記事を書いた人

元病院管理栄養士で医療ライター
2人姉妹を育てるアラフォーママ
不妊治療のことやかぞくの食事管理のことを中心に「かぞくの栄養辞典」を運営しています。

2014年第1子を自然妊娠で出産
2021年第2子を不妊治療(PGT-A正常胚)を移植して出産

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